そもそも酸洗いとはどういう物?
酸洗いとは酸性の溶液で金属製品に付いた汚れを取り除く化学洗浄の一つです。実は金属加工の現場では非常に頻繁に行われており、製品の成形加工や溶接が終わった後は酸洗いで全体の汚れを落とすのが定番となっています。工程も非常にシンプルで、酸の溶液で満たした溶液の中に吊るした金属製品を浸してしばらく置き、汚れが溶けた辺りで引き上げて表面の酸を洗い流すだけとなります。特別な装置なども必要なく、溶液を入れる容器と、酸の溶液があれば出来るため設備投資なども比較的安価で済む傾向にあります。
酸洗いを行うとこんなメリットがある
酸洗いは先に上げた設備投資が安く済む事や手順がシンプルなのもメリットの一つですが、他にも様々なメリットがあります。まず表面の洗浄が非常に均一に綺麗に出来ることから、塗装などを行う前に酸洗いを行うと製品と塗装の間に汚れが入り込むことがなく、塗装が剥がれ落ちにくくしっかりと定着するようになります。またステンレスの防錆効果をきちんと引き出すためには酸洗いがほぼ必須ともなっているため、ステンレス製品を作る場合の最終工程になることがあります。
また酸洗いは汚れを擦って落とす洗浄方法とは違い、洗浄対象に圧力などのを加えず洗浄することができます。そのためちょっとした力でも簡単に曲がってしまうような細工物やアクセサリーなどを洗う場合なども、酸洗いであれば変形する心配がないのは大きなメリットと言えるでしょう。もちろん扱うのは酸なので取り扱いには細心の注意が必要ですし、使い割った後の溶液の処理もきちんと行う必要はありますが、それに見合ったメリットや利便性があります。
金属製品の外観を綺麗に仕上げるため、金属表面に付着した不純物の除去や、ステンレスの不動態被膜を再形成する、或いは、メッキや塗装の下地処理を目的として、金属表面を酸性の液体で洗うことを酸洗いと呼びます。